早く死んでレスラーになりたい。

早く死んで、(生まれ変わってプロ)レスラーになりたいということです。大丈夫です。

はじめに

頭が働かない。

 

頭が働かなくなってから随分経つ。毎日バイトに行き、決まった仕事をこなしつつ、タバコを吸い、一日中携帯をいじり、帰って寝る。何日かに一度は彼女と会ったり、1人で飲みにいったりする。嬉しいことや面白いことや腹の立つことが起こり、たまに悲しいことが起きる。しかしその間、頭は働いていない。

 

その間、頭は働いていない。

 

言い訳のように、急に映画を観に行ったり、本を読んだり、プロレス観戦をする。どれも昔は大好きだった。しかし今は、頭が働いていないので、頭に入ってこない。仕方がないので、映画をよく知っている人や、本をたくさん読む人や、プロレスに詳しい人の話を聞いたり読んだりする。だが頭が働いていないので、それも頭に入ってこない。お金を払った分だけの体験が、過不足なくきっちり全身にぶつけられて、しかしそれが血肉として変わることはない。

 

気がする。

 

なにも頭に入ってこないから、気がするということで日々をやっている。読んだ気がする、見た気がする、聞いた気がする…わかった気がする。

 

この文章も、書きながら、しっかり自分が書いているのかよく分からない。自分が考えている気がすることを綴っているだけ。

 

頭が働かなくて、気がするで生活をしていると、感情がどんどんと優先されて表に出てくるようになる。頭が働かなくなってから、カッとなりやすくなった。体も、楽しければ勝手に動き、沈んでいたり疲れていたらじっと動けなくなる。表情はその時々、本来心の深いところにあるはずのものを簡単に映し出すようになってしまっていて、無用のトラブルも増えた。

 

昔というほど前ではないが、俺は、お笑い芸人だった。今は違う、と思う。

 

たまに大好きな友達とお酒を飲むと、その頃の自分が顔を出してきて、その瞬間から全てが楽しくて仕方がなくなり、次の日二日酔いで起きると全てが恥ずかしくなる。そっちが本当の自分のはずだったのに、思い出すと恥ずかしくてどうしようもない。恥ずかしさはそこから何日も行動を鈍らせて、いつもの自分に戻ってゆく。つまり、頭はまた働かなくなってゆく。

 

なにかをまた始めなくてはいけない。

 

ついに始める時が来たと思う。色々あったけどもう一度やり直さなくてはいけない。自分に戻らなくては。こんなクソみたいなことになっているはずじゃなかった。

 

とりあえず手始めにこのブログを続けることからやろう。他にできることが、今は本当になにもないので。